「自己破産」という言葉には、どうしてもネガティブなイメージがつきまといます。「人生が終わる」「すべてを失う」「周りに知られて恥ずかしい思いをする」――そうした不安から、自己破産を必要以上に恐れている方は少なくありません。
しかし、15年にわたり債務整理に携わってきた経験から申し上げると、自己破産に対する誤解は非常に多いです。実際には、法律で認められた正当な手続きであり、多くの方がこの制度を利用して生活を立て直しています。
この記事では、自己破産の手続きの流れ、よくある誤解、生活への実際の影響について、正確な情報をお伝えします。
自己破産の手続きの流れ
自己破産の手続きは、大きく分けて以下のステップで進みます。
1. 弁護士への相談・依頼
まず、弁護士に相談し、自己破産が最適な方法かどうかを検討します。弁護士に依頼すると、債権者への受任通知が送られ、取立てや督促が止まります。この時点で、精神的にかなり楽になったとおっしゃる方が多いです。
2. 申立書類の準備
収入や財産の状況、借金の経緯などを整理し、裁判所に提出する書類を作成します。給与明細、通帳のコピー、家計の収支表など、さまざまな資料が必要になります。弁護士がサポートしますので、一つひとつ準備していきましょう。
3. 裁判所への申立て
書類が整ったら、管轄の裁判所に破産の申立てを行います。福井の場合は福井地方裁判所です。
4. 破産手続きの開始
裁判所が申立てを審査し、破産手続きの開始を決定します。財産がほとんどない場合は「同時廃止」といって、手続きが簡略化されます。一定の財産がある場合は「管財事件」となり、破産管財人が選任されて財産の調査・処分が行われます。
5. 免責の許可
破産手続きの最終段階として、裁判所が免責を許可するかどうかを判断します。免責が許可されると、借金の返済義務がなくなります。
自己破産のよくある誤解
自己破産について、多くの方が誤解していることがあります。
「全財産を取り上げられる」は誤解です
自己破産で処分の対象になるのは、一定の基準を超える財産です。生活に必要な家財道具、一定額以下の預貯金・現金などは、手元に残せます。
「戸籍に載る」は誤解です
自己破産をしても、戸籍や住民票に記載されることはありません。選挙権がなくなることもありません。官報には掲載されますが、一般の方が官報を日常的にチェックすることはまずありません。
「会社をクビになる」は基本的に誤解です
自己破産を理由に会社が従業員を解雇することは、原則として認められていません。ただし、一部の職業(保険外交員、警備員、宅地建物取引士など)では、破産手続き中に一時的な資格制限があります。免責が確定すれば制限は解除されます。
「二度と借りられない」は誤解です
自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されますが、登録期間は5~10年程度です。その期間が過ぎれば、信用情報は回復し、再びローンやクレジットカードの利用が可能になります。
生活への実際の影響
自己破産をした場合の生活への影響を、現実的にお伝えします。
住居について
持ち家の場合は処分の対象になる可能性がありますが、賃貸住宅の場合、自己破産を理由に退去を求められることはありません。家賃を滞納していなければ、そのまま住み続けることができます。
仕事について
前述のとおり、一部の職業を除き、自己破産が仕事に直接影響することは基本的にありません。福井では製造業やサービス業に従事されている方が多いですが、これらの職業には影響がないケースがほとんどです。
家族について
自己破産の効果は本人に限られます。配偶者や子どもの信用情報に影響はありません。ただし、家族が保証人になっている場合は、保証人に請求がいく可能性がありますので、事前に確認が必要です。
免責が認められるケース
免責が認められるかどうかは、多くの方が気にされるポイントです。
法律上、ギャンブルや浪費が借金の主な原因である場合は「免責不許可事由」に該当します。しかし、実務上は、裁判所の裁量で免責を認める「裁量免責」の制度があり、多くのケースで免責は認められています。大切なのは、借金の原因を正直に申告し、今後の生活を立て直す意思を示すことです。
15年の経験の中で、免責が認められなかったケースは極めて稀です。諦めずに、まずは弁護士にご相談ください。
まとめ
自己破産は、借金の返済が困難になった方が、法律に基づいて生活を立て直すための制度です。世間のイメージほど恐ろしいものではなく、多くの方がこの手続きを経て新たな生活をスタートさせています。
当事務所では、初回相談を無料で承っています。自己破産について不安や疑問がある方は、まずはお気軽にご相談ください。正確な情報をもとに、最適な判断のお手伝いをいたします。