自己破産しても全財産を失うわけではない
「自己破産をすると、何もかも取り上げられてしまう」と思っている方は多いのですが、実際にはそうではありません。自己破産の手続きにおいても、一定の財産は手元に残すことができます。これを「自由財産」といいます。
自己破産は、免責(返済義務の免除)を受ける手続きですが、同時に、破産後の生活再建も大切な目的です。生活に必要な最低限の財産まで取り上げてしまっては、再出発ができなくなってしまいます。そのため、法律は一定の範囲で財産を保護しているのです。
15年間、多くの自己破産の案件を担当してきましたが、実際に財産をほとんど処分せずに手続きを終えられるケースは少なくありません。
自由財産として認められるもの
破産法や民事執行法の規定により、以下の財産は原則として手元に残すことができます。
99万円以下の現金
手元の現金は、99万円までは自由財産として保護されます。これは破産法第34条3項に定められたものです。破産後の当面の生活費として、法律が認めている金額です。
差押禁止財産
民事執行法で差押えが禁止されている財産も、自由財産に含まれます。具体的には以下のようなものです。
- 生活に必要な衣服、寝具、家具、台所用品など
- 1か月間の食料・燃料
- 仕事に必要な器具(農業従事者の農具、技術者の工具など)
- 実印その他の印鑑
- 仏像、位牌など礼拝に必要なもの
- 年金受給権(年金を受け取る権利自体)
日常生活で使っているテレビ、冷蔵庫、洗濯機、パソコンなどの家電や家具は、通常、処分の対象にはなりません。実務上、生活必需品を取り上げられたというケースはまずありません。
自由財産の拡張|裁判所の判断で残せる財産が増えることも
法律で定められた自由財産の範囲を超える財産であっても、裁判所に申立てをして認められれば、手元に残すことができます。これを「自由財産の拡張」といいます。
自由財産の拡張が認められやすい財産としては、以下のようなものがあります。
- 預貯金
- 保険の解約返戻金
- 自動車
- 退職金見込額の8分の1
福井地方裁判所の運用としても、合計額が一定の範囲内であれば、これらの財産について自由財産の拡張を認める傾向にあります。ただし、個々のケースによって判断が異なるため、具体的な見通しは弁護士にご確認ください。
持ち家と車はどうなるのか
多くの方が心配されるのが、家と車の扱いです。
持ち家については、残念ながら自己破産では手放さざるを得ないのが原則です。住宅を残したい場合は、個人再生の住宅ローン特則を利用する方法があります。
車については、ローンが残っている場合はローン会社に引き揚げられるのが通常です。一方、ローンが終わっている車で、査定額が20万円以下であれば、自由財産の拡張によって残せる可能性があります。
福井は車社会です。通勤や日常生活に車が欠かせない方も多くいらっしゃいます。15年の経験に基づく見解として、車の扱いについては、査定額や生活上の必要性を踏まえて裁判所に丁寧に説明することが重要です。当事務所でも、車を残せるよう最大限工夫しています。
自由財産について不安がある方は早めにご相談を
自己破産で何が残せて何が残せないのかは、お持ちの財産の種類や金額、裁判所の運用によって変わってきます。インターネット上の情報だけで判断するのは危険です。
当事務所では、ご相談の際に、お客様の財産状況を丁寧にお聞きし、何が残せるのかを具体的にお伝えしています。「自己破産するとすべてを失う」と思い込んで踏み出せない方にこそ、正確な情報をお伝えしたいと思っています。
一人で悩まず、まずは福井の当事務所へ無料相談をご利用ください。自由財産の見通しも含めて、わかりやすくご説明いたします。