「過払い金」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。テレビCMや広告で見かける機会も多く、「自分にも過払い金があるのではないか」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
過払い金とは、貸金業者に対して払いすぎた利息のことです。かつて多くの消費者金融やクレジットカード会社が、法律の上限を超える金利で貸付けを行っていた時期がありました。その払いすぎた分を取り戻すのが、過払い金返還請求です。
15年にわたり債務整理に携わってきた経験から、過払い金の仕組みや請求の条件、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
過払い金が発生する仕組み ― グレーゾーン金利とは
過払い金を理解するには、「グレーゾーン金利」を知る必要があります。
日本には金利の上限を定める法律が2つありました。利息制限法では、借入額に応じて年15~20%を上限としています。一方、かつての出資法では年29.2%までの金利が認められていました。
この利息制限法の上限(15~20%)と旧出資法の上限(29.2%)の間の金利帯が「グレーゾーン金利」と呼ばれていました。法律上は無効なのに、刑事罰の対象にはならないという曖昧な領域です。
多くの貸金業者がこのグレーゾーン金利で貸付けを行っていたため、利息制限法の上限を超えて支払った分が「過払い金」として返還請求の対象になります。2010年6月に改正貸金業法が完全施行され、グレーゾーン金利は撤廃されましたが、それ以前に借入れをしていた方には過払い金が発生している可能性があります。
過払い金返還請求ができる条件
過払い金を取り戻すためには、いくつかの条件があります。
2010年6月以前に借入れを開始していること
グレーゾーン金利での貸付けが行われていた時期に借入れをしていた方が対象です。2010年6月の法改正以降に初めて借りた場合は、原則として過払い金は発生しません。
消滅時効が完成していないこと
過払い金の返還請求権には時効があります。最後の取引(完済日)から10年で時効にかかります。すでに完済している方は、完済日から10年以内に請求する必要があります。なお、取引の途中に空白期間がある場合の時効の起算点については、個別の判断が必要です。
請求先の業者が存在していること
過払い金を請求する相手の貸金業者が倒産していると、回収が困難になります。実際に、かつて大手だった消費者金融の中にも倒産した会社があります。業者が存在しているうちに請求することが重要です。
過払い金返還請求の流れ
請求の一般的な流れは次のとおりです。
1. 取引履歴の開示請求
まず、貸金業者に対して過去の取引履歴の開示を求めます。いつ、いくら借りて、いくら返したかの記録です。貸金業者には開示義務がありますので、通常は応じてもらえます。
2. 引き直し計算
開示された取引履歴をもとに、利息制限法の上限金利で計算し直します。この再計算によって、払いすぎた金額=過払い金の額が明らかになります。
3. 貸金業者との交渉
過払い金の額が判明したら、貸金業者に対して返還を求めます。多くの場合、まずは任意の交渉を行います。業者側も一定額の返還には応じることが多いですが、満額の返還に応じないケースもあります。
4. 訴訟の提起
交渉で納得できる金額に達しない場合は、裁判所に訴訟を提起します。裁判になると時間はかかりますが、より多くの金額を回収できる可能性があります。
過払い金返還請求の注意点
過払い金の請求にはいくつかの注意点があります。福井での実務経験を踏まえてお伝えします。
ブラックリストに載る場合がある
完済後の過払い金請求であれば、信用情報に影響はありません。しかし、返済中に過払い金請求を行い、引き直し計算の結果まだ残債がある場合は、債務整理として扱われ、信用情報に登録される可能性があります。
時効が迫っている方は早めの行動を
先述のとおり、最終取引日から10年で時効が完成します。グレーゾーン金利が撤廃された2010年から相当の年月が経過しており、すでに時効を迎えているケースも増えています。心当たりのある方は、早めにご相談ください。
業者ごとに対応が異なる
過払い金の返還に対する業者の姿勢は、会社によって大きく異なります。比較的スムーズに返還に応じる業者もあれば、大幅な減額を求めてくる業者もあります。15年の経験で各業者の傾向はある程度把握していますので、見通しをお伝えすることが可能です。
まとめ
過払い金は、かつてのグレーゾーン金利によって払いすぎた利息です。条件を満たせば返還請求が可能ですが、時効の問題があるため、早めの対応が重要です。
「自分に過払い金があるかどうかわからない」という方も、取引履歴を確認すれば判断できます。当事務所では初回相談を無料で承っています。福井で過払い金について気になることがある方は、まずはお気軽にご相談ください。