離婚をきっかけに、借金が膨らんでしまった――こうしたご相談は、福井でも年々増えています。
離婚そのものは借金と関係がないように思えるかもしれません。しかし実際には、離婚によって世帯収入が大きく減り、生活費を借入に頼らざるを得なくなるケースは非常に多いのです。特にお子さんを育てながら働いているシングルマザー・シングルファザーの方は、日々の生活で精一杯で、借金の問題を後回しにしてしまいがちです。
弁護士として15年、離婚と借金の両方の問題に向き合ってきた経験から言えるのは、「早く相談すれば、それだけ選択肢が広がる」ということです。
離婚後に借金が膨らむ典型的なパターン
離婚後に借金が増える原因には、いくつかの典型的なパターンがあります。
最も多いのは、養育費の不払いです。離婚時に養育費の取り決めをしても、実際にはきちんと支払われなくなるケースが少なくありません。養育費が入ってこなければ、その分を自分で補わなければならず、カードローンやクレジットカードに頼ることになります。
また、離婚に伴う引越し費用、新しい住居の敷金・礼金、家電や家具の購入費など、まとまった出費が一度に発生することも大きな要因です。福井では車がないと通勤や買い物が難しいため、車の購入・維持費も負担になります。
さらに、離婚前は共働きで何とかなっていた家計が、一人の収入では回らなくなることも珍しくありません。パートの収入だけで子どもを育てながら借金を返していくのは、非常に厳しいのが現実です。
借金問題と養育費は別 ― 自己破産しても養育費の請求権は消えない
「自己破産すると養育費がもらえなくなるのでは?」と心配される方がいらっしゃいますが、これは誤解です。
自己破産で免責(免除)されるのは、カードローンやクレジットカードの借金などです。養育費の請求権は「非免責債権」といって、破産をしても消えません。つまり、ご自身が自己破産をしても、元配偶者に対して養育費を請求する権利はそのまま残ります。
逆に、元配偶者が自己破産をした場合でも、養育費の支払い義務は免除されません。養育費と借金の問題は、法律上は別のものとして扱われるのです。
債務整理の方法の選び方
借金を整理する方法には、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つがあります。どれが適しているかは、収入と借金の額のバランスによって変わります。
任意整理は、利息をカットした上で3年から5年で返済していく方法です。借金の総額が比較的少なく、毎月一定額を返済できる見込みがある場合に向いています。
個人再生は、借金を大幅に減額した上で原則3年で返済する方法です。住宅ローンがある場合に家を残せるという特徴があります。
自己破産は、借金をゼロにする手続きです。収入に対して借金の額が大きすぎ、返済の見通しが立たない場合に選びます。
シングル家庭の方の場合、パート収入で子どもの生活費を確保しながら返済を続けるのが難しいケースが多く、実務での実感としては自己破産が最も現実的な解決策となることが少なくありません。ただし、安定した収入がある場合は任意整理で解決できることもありますので、まずはご状況を詳しくお聞かせいただくのが大切です。
子どもへの影響は?
お子さんがいらっしゃる方にとって、最も気になるのは「子どもに影響があるのではないか」という点だと思います。
まず、自己破産をしたことが学校や周囲に知られることは、通常ありません。破産の情報は官報に掲載されますが、一般の方が官報を読むことはほとんどないためです。
親が自己破産をしても、お子さん自身の信用情報に傷がつくことはありません。将来、お子さんが奨学金を借りたり、社会人になってクレジットカードを作ったりすることに支障はないのです。
むしろ、借金の返済に追われて生活が苦しい状態が続くことの方が、お子さんへの影響は大きいと言えます。経済的に安定した環境を整えることが、お子さんのためにもなるのです。
実際の解決例
当事務所で担当した事例をご紹介します。
福井県内にお住まいの30代の女性で、離婚後にパートをしながらお子さんを育てていました。離婚時の引越し費用や生活費の不足を借入で補ううちに、借金の総額は約400万円にまで膨らんでいました。
パート収入では毎月の返済が到底追いつかない状況でしたので、自己破産の申立てを行いました。手続きは順調に進み、免責が認められました。現在は借金から解放され、お子さんとの生活に専念されています。
まとめ
離婚後の借金問題は、一人で悩んでいても解決しません。しかし、正しい手続きを取れば、必ず生活を立て直すことができます。
養育費の請求権は自己破産をしても消えませんし、お子さんへの悪影響もほとんどありません。大切なのは、早めに専門家に相談して、ご自身に合った解決方法を見つけることです。
当事務所では初回相談を無料で行っております。お子さんの預け先がないという方もお気軽にご相談ください。まずはお電話やLINEでご予約をお取りいただければと思います。